
KOHGA CULTURE PERSON
小林 このみ
こばやし このみ
漆芸作家/東京藝術大学 漆芸研究室 教育研究助手
- 活動地域
- 東京都を中心に活動
- 活動分野
- 工芸・ものづくり
- 対応
- 全国(内容により応相談)
人との出会いやつながりの中で生まれる感情、記憶、風景を、漆という素材を通してかたちにする。乾漆、蒔絵、螺鈿、色漆など、日本で受け継がれてきた技法と向き合いながら、立体や絵画など自由な表現へと広げています。
乾漆・蒔絵・螺鈿などの伝統技法を用い、人とのつながりや出会いから生まれる感情や風景を表現する漆芸作家。制作とともに、漆文化を伝える教育活動にも取り組む。
現在依頼を受付中
ABOUT
この文化人について
プロフィール
1994年、千葉県生まれ。漆芸作家。東京藝術大学美術学部工芸科で漆芸を学び、2020年に卒業。2022年、同大学大学院美術研究科工芸専攻漆芸を修了。現在は東京藝術大学漆芸研究室の教育研究助手を務めながら、作家として制作・発表を続けている。 乾漆、蒔絵、螺鈿、色漆など、日本で受け継がれてきた漆芸技法を用いながら、器という枠にとどまらず、立体や絵画的な作品へと表現を展開。制作の根底にあるのは「人とのつながり」。人との出会いや交流、その中で生まれた感情や記憶、風景を受け取り、漆を通して作品へと昇華している。 卒業制作《あなたのことがだいすき》では、自身を支えてくれた周囲の人々への感謝や愛を表現し、取手市長賞を受賞。大学院修了制作の螺鈿蒔絵水槽《憧憬》では、公益財団法人メトロ文化財団賞を受賞した。 2024年には長野県安曇野市でのアーティスト・イン・レジデンスに参加。地域の人々との交流や土地での体験を作品へとつなげるなど、制作の場を地域にも広げている。 また、漆芸教室や東京藝術大学公開講座などで、蒔絵・螺鈿・乾漆等を伝える教育活動にも携わる。伝統的な技法を大切にしながら、人や場所との出会いによって生まれる新しい漆の表現を探求している。
活動概要
東京藝術大学漆芸研究室の教育研究助手として教育・研究に携わりながら、漆芸作家として作品制作・展覧会への出展を続けています。 制作では、乾漆による立体造形をはじめ、色漆、蒔絵、螺鈿などの伝統的な漆芸技法を用いながら、絵画的な表現や現代的な造形へと展開しています。 また、漆芸教室や東京藝術大学の公開講座などを通じて、一般の方に漆芸を伝える活動にも取り組んでいます。2024年には安曇野市でのアーティスト・イン・レジデンスに参加し、地域の人々との交流や土地で得た体験を制作へつなげました。 作品制作、展示、教育、地域との交流を通して、漆という素材の可能性をさまざまな角度から探っています。
文化的背景
漆は、日本では縄文時代から利用されてきた長い歴史を持ち、器や家具、建築、仏具、装飾品など、暮らしと文化のさまざまな場面で用いられてきました。 漆芸には、漆を塗り重ねる髹漆、漆で文様を描き金銀粉などを蒔く蒔絵、貝殻の真珠層を用いて装飾する螺鈿、麻布などを漆で固めて造形する乾漆など、多様な技法があります。 こばやしこのみは、こうした伝統的な技法を学びながら、それを器や伝統的な意匠だけに限定せず、立体造形や絵画的な表現へと展開しています。 長い歴史の中で培われてきた素材と技法を受け継ぎながら、現代の感情や人との関係、土地での体験を作品へ取り込むことで、現在進行形の漆芸表現を探っています。
STORY
文化を継ぐ理由
きっかけ
東京藝術大学美術学部工芸科で学び、漆芸を専門として制作の道を歩み始める。 学生時代から、漆という素材が持つ質感や色彩、乾漆、蒔絵、螺鈿といった多様な技法を用いながら、立体と絵画の双方にまたがる表現に取り組んできた。 その制作において大きな軸となっていったのが「人とのつながり」だった。 卒業制作《あなたのことがだいすき》では、自身がつらい経験をした際、周囲の人々から心配や励ましを受けた経験から、人がそばにいることで自分らしくいられることへの感謝や愛を作品として表現した。 その後も、人との出会いや交流の中で感じたことを制作へ取り込みながら、漆による表現を広げている。
文化を継ぐ理由
漆は、日本の暮らしや工芸の中で長く受け継がれてきた素材です。塗る、描く、貼る、研ぐ、磨くといった多くの工程を重ね、乾漆、蒔絵、螺鈿などさまざまな技法へ発展してきました。 こばやしこのみの制作では、そうした伝統的な技法を守るだけでなく、現代を生きる自身の感情や、人との出会い、土地で得た経験などを取り込みながら、新しい表現へとつなげています。 漆文化を未来へ残すことは、過去と同じものをそのまま繰り返すことだけではありません。受け継いだ素材と技術を自分自身の表現として使い、今を生きる人が漆と出会う入口をつくることも、文化を次へ渡していく方法の一つです。 制作だけでなく、教室や公開講座を通じて漆芸を実際に体験する機会をつくる活動にも、その姿勢が表れています。
転機
制作における一つの大きな転機となったのが、卒業制作《あなたのことがだいすき》だった。 自身がつらい経験をしたとき、周囲の人々から心配や励ましを受けたことで、「周りに人がいることで自分らしくいられる」という感覚に気づく。その経験から生まれた感謝や愛を、羊の姿と花々によって表現した作品は、2020年に取手市長賞を受賞した。 さらに2024年には、安曇野市でのアーティスト・イン・レジデンスに参加。地域に滞在し、人々と交流しながら制作する中で、さまざまな生き方や価値観に触れ、「作品はもっと自由でも良い」という感覚をあらためて得た。 人との出会いによって自身の視点が変わり、その変化が新しい作品へとつながっていく。この経験は、現在の制作にも通じる大切な軸となっている。
これから
漆という素材や、乾漆・蒔絵・螺鈿などの技法が持つ可能性をさらに探りながら、これまでの枠にとらわれない表現に挑戦していきたい。 また、制作する場所や人との出会いを大切にし、地域での滞在制作や異なる分野の人々との交流など、自分自身が新しい価値観に触れられる機会を作品へとつなげていきたい。 作品を発表するだけでなく、ワークショップや教育活動などを通じて、これまで漆芸に触れたことのない人にも、その素材の面白さや美しさ、手を動かしてものをつくる楽しさを届けていく。 伝統として受け継がれてきた漆と、現代を生きる人々との新しい出会いを生み出していきたい。
メッセージ
漆は、長い時間をかけて日本の中で受け継がれてきた素材ですが、実際に触れてみると、伝統という言葉だけでは収まらない自由さや面白さがあります。 私自身も、人との出会いや日々の中で感じたことを大切にしながら、漆を使って作品を制作しています。 作品を見ていただくことはもちろん、蒔絵や螺鈿などを実際に体験することを通して、「漆ってこんなこともできるんだ」と感じていただけたら嬉しいです。 漆をきっかけに、さまざまな人との新しい出会いが生まれていけばと思っています。
EXPERTISE
専門分野
漆芸
漆を素材とし、乾漆、蒔絵、螺鈿、色漆などの伝統技法を用いた作品を制作。器にとどまらず、立体造形や絵画的な表現へと漆芸の可能性を広げている。
乾漆・立体造形
麻布と漆などを重ねて形をつくる乾漆技法を用い、立体作品を制作。素材の特性を生かしながら、人物の感情や人とのつながり、身近なモチーフなどを造形として表現している。
蒔絵・螺鈿
漆で文様を描き金銀粉などを用いる蒔絵や、貝の光沢を生かす螺鈿など、日本の漆芸を代表する装飾技法を用いて作品を制作。伝統技法を現代的な感覚や表現へと展開している。
漆芸指導・文化体験
漆芸教室や公開講座などを通じ、蒔絵・螺鈿・乾漆等の技法を伝える活動に取り組む。初めて漆に触れる人にも、制作体験を通じて漆の素材や技法の魅力を伝えている。
INHERITANCE
受け継ぎ、未来へ渡すもの
先人から受け取り、次の世代へと手渡していく文化・技・こころ。
INHERITED
漆芸
日本で長く受け継がれてきた漆という素材と、その加工・装飾技法を専門的に学び、制作へ生かしている。伝統技法をそのまま再現するだけではなく、人との出会いや感情、現代の風景などを取り込みながら、現在の漆芸表現へと展開している。
受け継いだ相手: 東京藝術大学での専門教育・漆芸研究室
次世代へ: 自身の作品制作・展示に加え、漆芸教室や公開講座などを通じて、実際に漆に触れ、手を動かす機会をつくる。技法を伝えるだけでなく、漆という素材を使って自分自身の表現を生み出す面白さも伝えている。
INHERITED
乾漆
麻布などに漆を重ねて形をつくる乾漆技法。古くから仏像などの造形にも用いられてきた技法を学び、現代の立体作品へと展開している。
受け継いだ相手: 東京藝術大学での漆芸教育
次世代へ: 制作活動に加え、漆芸教室等で乾漆による造形を指導し、素材を重ねながら形を生み出す技法と、その表現の可能性を伝えている。
INHERITED
蒔絵・螺鈿
漆で文様を描き金銀粉などを施す蒔絵と、貝の真珠層を用いて装飾する螺鈿。日本の漆芸を代表する装飾技法を学び、立体作品や絵画的表現など自身の作品へ取り入れている。
受け継いだ相手: 東京藝術大学での漆芸教育
次世代へ: 公開講座や制作指導を通じて、蒔絵や螺鈿を実際に体験できる機会をつくり、伝統技法の美しさと、現代の生活や表現にもつながる楽しさを伝えている。
ACTIVITIES
現在の活動
小林 このみさんが今、現場で取り組んでいる活動です。
漆芸作品の制作・発表
乾漆・蒔絵・螺鈿・色漆などの技法を用い、立体や絵画的な漆芸作品を制作・発表しています。
漆芸講座・制作指導
乾漆・蒔絵・螺鈿などの技法を、講座や教室を通じて初心者にも分かりやすく伝えています。
地域と関わるアートプロジェクト
地域に滞在し、人や土地との出会いから得た経験を作品へつなげる制作活動にも取り組んでいます。
展覧会・作品展示
漆芸作品を展覧会等で発表し、伝統技法と現代的な表現を組み合わせた作品世界を紹介しています。
REQUEST MENU
対応可能な依頼
小林 このみさんへ、実際にお願いできるメニューをご紹介します。
- ワークショップおすすめ
漆芸ワークショップ・制作体験
蒔絵・螺鈿などの漆芸技法に触れながら、自分の手で作品をつくる文化体験。
日本で受け継がれてきた漆芸の素材や技法について学びながら、実際に手を動かして作品を制作するワークショップです。蒔絵・螺鈿など、内容や参加者の経験、年齢、開催時間に応じてプログラムを相談できます。文化施設、学校、企業、地域イベント等での開催についてご相談ください。
- 対象:
- 一般/初心者/学生/親子/文化体験参加者
- 形式:
- 対面
- 対応言語:
- 日本語
料金
料金はご相談ください
希望日時、開催場所、参加予定人数、参加者の年齢層、希望する体験内容、希望時間、ご予算等をお知らせください。内容によって使用する材料や必要設備が異なるため、事前に相談のうえプログラムを決定します。
- 展示・展覧会
漆芸作品の展示・展覧会
乾漆・蒔絵・螺鈿などによる漆芸作品の展示や、企画展への出展についてご相談いただけます。
乾漆による立体造形や、蒔絵・螺鈿・色漆などを用いた作品の展示、企画展・グループ展・文化イベント等への出展についてご相談いただけます。展示テーマや会場条件、期間等に応じて個別に調整します。
- 対象:
- 美術館/ギャラリー/文化施設/自治体/企業/イベント主催者
- 形式:
- 対面
- 対応地域:
- 全国応相談
- 対応言語:
- 日本語
料金
料金はご相談ください
展示企画の概要、会期、会場、展示スペース、希望作品・点数、搬入出条件、予算等をお知らせください。新規作品の制作を希望される場合は、制作期間を含めてご相談ください。
- 自治体・地域プロジェクト
地域・教育機関との文化プロジェクト
地域での滞在制作や交流、学校・文化施設等での漆芸体験など、文化を通じたプロジェクトに対応します。
アーティスト・イン・レジデンスへの参加経験や漆芸の指導経験を生かし、地域の人々との交流を取り入れた制作、文化体験、学校・文化施設でのプログラム等についてご相談いただけます。地域の歴史・文化・人との出会いを大切にしながら、内容に応じた企画を検討します。
- 対象:
- 自治体/学校/大学/文化施設/地域団体/教育機関
- 形式:
- 対面
- 対応地域:
- 全国応相談
- 対応言語:
- 日本語
料金
料金はご相談ください
企画目的、開催地域、実施希望時期、期間、対象者、参加予定人数、想定する活動内容、ご予算等をお知らせください。内容が固まっていない企画についてもご相談いただけます。
HIGHLIGHTS
主な実績
CAREER
経歴
2024
東京藝術大学 安曇野AIR 2024 参加
安曇野市 / 長野県安曇野市・日本
東京藝術大学大学院を修了した若手芸術家による「安曇野AIR 2024」に漆芸作家として参加。安曇野に滞在し、市民との交流や土地で得た体験をもとに作品制作を行った。成果作品は同年10月に発表された。
東京藝術大学 漆芸科 教育研究助手 就任
東京藝術大学 / 東京都・日本
東京藝術大学漆芸科の教育研究助手に就任。漆芸作家として制作・発表を続けながら、教育・研究活動にも携わる。
2022
東京藝術大学大学院美術研究科 工芸専攻漆芸 修了
東京藝術大学 / 東京都・日本
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 工芸専攻漆芸を修了。修了作品を「東京藝術大学卒業・修了展2022」で発表し、公益財団法人メトロ文化財団賞を受賞。
「藝大 Art Journey」出展
東京メトロ銀座駅 / 東京都・日本
東京藝術大学卒業・修了展後、「藝大 Art Journey」に出展。東京メトロ銀座駅を会場として作品を発表。
2020
東京藝術大学美術学部工芸科 漆芸 卒業
東京藝術大学 / 東京
東京藝術大学美術学部工芸科で漆芸を専攻。卒業制作《あなたのことがだいすき》を発表し、第28回取手市長賞を受賞。
ACHIEVEMENTS
実績
2022 / 受賞
公益財団法人メトロ文化財団賞 受賞
役割受賞作家
公益財団法人メトロ文化財団 / 東京藝術大学/東京都
東京藝術大学大学院修了作品により、公益財団法人メトロ文化財団賞を受賞。
2022 / 地域連携
東京藝術大学 安曇野AIR 2024
役割参加アーティスト/漆芸作家
安曇野市/東京藝術大学 / 長野県安曇野市
安曇野に滞在し、市民との交流や土地での体験をもとに新たな漆芸作品を制作。
2022 / 展示・展覧会
「藝大 Art Journey」出展
役割出展作家
東京メトロ銀座駅/東京都
東京メトロ銀座駅を会場とする「藝大 Art Journey」に作品を出展。
WORKS
代表作品・代表プロジェクト
PHILOSOPHY
大切にしていること
受け継がれてきた漆の素材や技法を大切にしながら、それを「昔からあるもの」として閉じ込めるのではなく、今を生きる自分自身の感覚や経験と結びつけ、新しい表現へつなげていく。 人との出会いや地域での体験によって作品が変化していくように、文化もまた、人から人へ渡る中で新しい姿を生み出していくものです。 制作と教育の両方を通じて漆と向き合い、漆を知らなかった人にも、その美しさや面白さに触れる入口をつくること。それも、漆文化を次へつないでいく一つの方法だと考えられます。
LINKS
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CONSULTATION
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